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こなたよりかなたまで
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こなたよりかなたまで
パッケージ新装版
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お薦め度 |
システム |
シナリオ |
音楽 |
絵 |
A- |
B- |
A |
A- |
B+ |
キャラ |
ボイス |
演出 |
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B+ |
B+ |
C+ |
D- |
[WIN(CD-ROM)][05/03/25]
[音楽:I've サウンド][ボイス:一色ヒカル] |
「時に泣いた、弱虫な僕らの足跡に花が咲いてた……」
ある時、主人公の身の上に思ってもみない事実が圧し掛かる。驚愕し混乱するものの、何とか心の平静を取り戻した主人公は1つの決断を下す。可能な限りこの現実を守ろう、と。
シナリオは陰鬱になることなく、また全てを語ることなく各キャラENDをまとめてあります。奥歯にモノが挟まった言い回しや伏線の張り方、主人公の考え方には好き嫌いが別れるかも……。それでも生と死、他人との距離の取り方や心のあり方を考えさせられる良シナリオであることには間違いありません。
システムはテキスト表示域が画面全体タイプなので、文章を味わって読む人に向いています。また、縦書きにも変更可。オートモードが無いのと、ゲームを始めるときにディスクチェックがあったのが煩わしかったですね。
音楽・ボイスは特に言うことなし。OP曲「Imaginary affair」が「家族計画」のOP曲「同じ空の下で」と並んで、自分の中でMyベストとなりました(笑)。
絵に関して、立ち絵・イベント絵とも少ないのは気になります(必要最小限はアリ)。可愛らしい絵柄だけにもっと見たかったのですが残念。価格的にも相応ということなのでしょう。
本当の強さとは? 優しさとはなにか? そのことを知りたい人や確認したい人にオススメの作品です。
[初回版特典]
・こなかなオリジナルサウンドトラック
[萌えキャラ]
・クリス(健気で優しくて、強気で弱気な彼女に乾杯!!) |
(関連)[Collective(CD)] |
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(↓↓↓ネタバレあれこれ↓↓↓)
これまでいろいろとゲームをプレイしてきましたが、この作品の主人公が一番気に食わないというか、見ていて(正確には文章を読んでいて)モヤモヤしました。
嫌いではないけど、気に食わない。
クリスや耕介の気持ちに対して、それに応えずに自分の気持ちを貫こうとすることはまだ構わないです。でも、自分の気持ちに嘘をついて、佐倉のことを思いやってるつもりだなんて、許せなかったですねー。
「わたしとずっと一緒にいてください」
過去に何も知らずにそう言った佐倉。その言葉に、死期の迫っている主人公が答えられなかったのは仕方ない。だとしても、本当に佐倉のことを思うというなら、居心地のよい今の場所(=学園での普段通りの生活)を捨てるべきだったのではないでしょうか。
周りの人間は主人公を「強い」と言い、主人公自身も「強く」あろうとしていた。
でも、肝心なところで周りに甘えている主人公。ゲーム開始時の心の呟き。真実は分かっているはずなのに、最後まで頭で考えたことを押し通した。
最後とは耕介が佐倉に真実を話すときまで。
あくまで自分の意地を通したその身勝手さに腹が立つ。また、九重さんルートでの主人公は佐倉のことを全く失念していることにも、憤りを感じざるをえない。
本当の「強さ」とは、初志を貫徹することでもなければ、自分の考えだけを常に優先させることでもない。
自分の気持ちと相手の気持ちが折り合う地点を見つける努力ができること。傷つけることもあるかもしれない。逃げ出したくなるかもしれない。それでも、努力してゆくこと。
それが本当の「強さ」なんだと思う。
だから、主人公は全く強くない。そしてそんな主人公が、嫌いではないけど、気に食わない。自分自身も彼のように、こなたとかなたをさまよってしまいそうだから、なおさらそう思えるのだ……。
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