ゲームレビュー(目次)>>さ行(個別)
シンフォニック=レイン
愛蔵版
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 シンフォニック=レイン
愛蔵版
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お薦め度 |
システム |
シナリオ |
音楽 |
絵 |
A |
B+ |
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S |
A- |
キャラ |
ボイス |
演出 |
H度 |
A |
A |
B+ |
- |
[WIN(DVD-ROM)][04/03/26] |
「あなたに心を見せたい いっそ全て言えたら」
雨が止むことなく降り続ける街ピオーヴァは、音楽家を夢見る若者達が集う、音楽の街。クリスは恋人のアリエッタが暮らす故郷から遠く離れ、彼女の双子の妹トルティニタと共に音楽学院に通っていた。まもなく卒業だが、課題として歌唱担当のパートナーと共に、
オリジナル曲を合奏しなければならない。
パートナーは誰か、そして演奏は完成するのか……?
シナリオは割と短めですが、他の3キャラをクリアしてアルルートが解放されます。この作品はアルルートをクリアして初めて意味がありますので、是非最後までプレイすることをおススメ。また、OPアニメから伏線を張ってるのはさすがとしか。
音楽は各キャラクターの心情に合わせて曲が作られているので、ミュージックパートともに、音楽に関しては最高クラスと言えましょう。「空の向こうに」「秘密」「メロディー」が特に好きな曲かな。
演出は目パチ・口パクがあり、またミュージックパートの達成感が良いです。システムは日にちが変わった時のスキップに不具合という点を除けば、概ね良好かと。
ボイスは歌唱力で選んだと言われるだけありますし、各キャラにもあってます。絵もかなり和ませて頂きました。
シナリオ&音楽と共に楽しめる良作です。
[同梱物]
・妖精の本
・アレンジサントラCD
・ピォーヴァ音楽学院ピンバッヂ
[萌えキャラ]
・トルタ(健気過ぎるだろ、常識的に考えて) |
[ボイス:中原麻衣,浅野真澄,折笠富美子,笠原弘子,渡辺隼人,浅川悠,和田みちる,永野広一][原画:しろ][シナリオ:シナリオライターズ Q’tron][音楽:岡崎律子] |
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(↓↓↓ネタバレあれこれ↓↓↓)
アルとトルタが双子なので、入れ替わりネタがあるだろうなとは思いました。そして、あくまで恋愛に終始するものだとばかり思っていたので、アルルートを終えたときのリセENDやファルENDを思うと、そのシニカルぶりに息を飲みましたね。
リセENDではクリスの看病のかいあって、最終的にリセが「歌」を取り戻します。もし、トルタがクリスに真実を教え、アルの看病をしていたならどうなっていたのか。
また、ファルENDではファルがアルに会いに行こうと言い、クリスも承諾します。このルートではアルは死んでいるので、墓前に行くことになりますね。
絵と音楽の癒しっぷりと、ハッピー的な終わり方をしているので、ややもすれば問題なく思えますが、落ち着いて考えると寒気がしました。
フォーニですが、なんとなくアルのような気はしていました。リセやファルを選んだとき、頬にキスをするフォーニがかなり切ないです。音楽の妖精であるのも、願望が具現化したからなのでしょう。
クリスが雨の幻覚を見続けていたのが分かり、フォーニまでも幻覚だったのかと思わされたのが杞憂で良かったです(笑)。
音楽ですが、故・岡崎律子さんの「for RITZ」を昔から聴いていましたので、ゲーム中は音楽の力が強く、文章を読み進めるのが大変でした(汗)。
たぶん、ゲームのテーマに合わせて楽曲をされたのは間違いないのですが、自らの心情をも込めたと思われます。なぜなら、創作というのは全く自分に関わりのないことを生み出すことは出来ないからです。出来ないからこそ、「らしさ」が出るわけですし。
何が言いたいかと言うと、まだまだ作品を創りたかっただろうな、と。
I'm all
right
I love you
I love my life
I'm always close to you
ごめんね
お別れが突然で
今は ちょっとね 寂しいけど
かなしみじゃないの
いつか ちゃんと想い出になる
約束
お願いはひとつだけ
生きて 生きて
どんな時にも なげてはだめよ
それは なによりチャーミングなこと
[I'm always close to you 作詞:岡崎律子]
自分に言い聞かせるように、そして大丈夫だよと伝えるように紡がれる言葉たち。当然のように、明日があると思って生きているけれど、実は非常に曖昧ということ。誰もがこのことを忘れなければ、世界はもっと平和だと思えてなりません。
話が逸れましたが、シナリオはEVER17やひぐらしのように、いわゆる「仕掛け」がなされていますので、これらの作品が面白いと思った方なら、激しくおススメできる作品ですね。
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