「この怪奇渦巻く幻の館で、存分に、お迷いくださいませ」
明治時代から存在していたにも関わらず、文献上にはほとんど記録にない真珠邸。主人公はその館に縁のある麻子と共に、館に足を踏み入れる。
それが永い永い「迷い」の始まりになるとは露と知らずに……。
伝奇な館もので「終の館」や「月陽炎」などに近く、描写は三人称です。バトルシーンも剣などの武器ではなく、伝承を活かした見せ方をするなど、後半はひたすら舌を巻かせられました。シナリオ・テキストとも、よくまとまっています。ただ設定上、現代口語のあっさりした文体が好きな人には馴染みづらいかもしれません。
システムはクイックセーブ・ロードやセーブ後、右クリックキャンセルできなかったりするなどの点を除けば使いやすく、音楽・絵・キャラ・ボイス・演出・H度などは及第点です。
文系寄りの人、特に史学(近代日本)・日本文学・日本哲学に興味・造詣がある人にオススメの作品。
[萌えキャラ]
・紫織(艶かしいきょにうメイドさん) |