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智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜

体験版ダウンロードページ  Key
智代アフター ~It's a Wonderful Life~  初回特典版
智代アフター
~It's a Wonderful Life~
初回特典版
お薦め度 システム シナリオ 音楽
B+ A- A- S A-
キャラ ボイス 演出 H度
B+ B+ B+ C+
[WIN(DVD-ROM)][05/11/25]
[音楽:折戸伸治][原画:フミオ][ボイス:一色ヒカル]
「人生の宝物を探しに行こう」

 町外れの廃品回収屋に就職した朋也(主人公)は、一人暮らしを始め、恋人の智代と蜜月の日々を送っていた。そこへ、智代の弟 鷹文が父親の隠し子 とも を連れてくる。さらに夏休みを目前にして、鷹文の昔の彼女、河南子も家を飛び出してきた。問答の末、彼女までも朋也の部屋に居座ることに。5人で過ごす、最初で最後の夏休みが始まる。

 シナリオは「クラナド」をプレイしていなくても楽しめますが、見知った用語も出てくるので、「クラナド」をプレイしてからの方がより楽しめると思われます。ただし、大人の事情でのボリューム不足な点や、アフターに入ってからのストーリ展開は手放しでは受け入れられないという弱点も。

 音楽はこれまで通りに高レベル。初回版にはおまけとしてサントラが付きますが、おまけ以上の価値があります。また、楽曲のOP・ED曲のフルは世界観とマッチした詞。聞けば聞くほど、「人生の宝物を持って歩いていく」ということが表現されていて、胸が震えます。

 絵は樋上いたる女史ではなく、フミオ氏が担当しています。「ゆきうた」「そらうた」と比べると、フミオ氏の絵の魅力が半減しているような気が……(汗)。やはり、「クラナド」の絵のイメージが強いからでしょうね。

 キャラは社会人となった主人公や、智代の大人しさに一抹の寂しさを感じました。とはいえ、ともや河南子、鷹文も合わせた5人はよいバランス。特に、ハチャメチャな河南子の存在が大きく、テキスト展開には笑わされることもありました。

 H度としてはフェチっぽいものもありますが、総じて薄め。智代の声が一色ヒカルなのに、なんと勿体無い……(汗)。

 「クラナド」が「リアル+幻想」風味とすれば、今作はあくまで「リアル」風味というところでしょうか。「クラナド」や「智代」に強い愛着がある人はプレイしない方が良いかも。プレイするとしても、絵も違うことですし、アナザーストーリーとして捉える方が正しいかもしれません。「良作か駄作か」と問われれば、間違いなく「良作」には入る作品。

 ちなみに一度クリアしたあとにプレイできるおまけの「DUNGEONS&TAKAFUMIS」はかなり熱いですよ(笑)。

[おまけRPG]
・DUNGEONS&TAKAFUMIS

[初回版同梱特典]
・Tomoyo After Original SoundTrack

[萌えキャラ]
・なし
(関連)[CLANNAD ~クラナド~ 通常版] [CLANNAD Original SoundTrack] [ソララド クラナドイメージボーカルアルバム]

(↓↓↓ネタバレあれこれ↓↓↓)

 ぶっちゃけ「CLANNAD」と比べると、ボリュームも感動も少なかったですね。だから、悪いっていうのでは全くないのですが……。また、「エロゲをやる=夢物語を楽しむ」というスタンスなので、「手術失敗」というリアルに関しては、あまり面白いと思えませんでした。しかし、テーマ的には外せないので仕方ない。

 一週間間隔で繰り返される記憶喪失の状態。智代は朋也が記憶喪失からの回復を望んでいたことは当然ながら、そうでなくても朋也の「愛」という感情の出現を期待していたことでしょう。

 「生まれ変わっても、君をまた好きになるよ」といった類のもの。

 3年かけて記憶喪失の朋也から言葉を聞くことで安堵し、智代は永遠を信じることが出来るようになります。

 では、智代は朋也を亡くしてから、再び恋をしたのだろうか? 違う誰かを愛したのだろうか?

 ともの学校を作ることを頑なに辞めさせようとしていた時の智代なら、二度と朋也以外を愛することはなかったはず。現実から目を背け、幸福だった過去にのみ囚われたに違いない。しかし、クマの着ぐるみを着て学校作りを手伝ったことのある智代は、不幸を内包する未来に繋がる今を受け入れることを知っている。

 だからこそ、「It's a Wonderful Life!」と言えるわけで。

 愛する人と過ごした時間、思い出、想い、言葉……苦しみまでもが全て宝物。たとえ智代が朋也以外の誰かと恋をしても、それは変わらない。その宝物があるからこそ、今、この世界が輝かしい。

 本音を言うなら、わざわざエロゲーでこんな辛さというか、リアルを味わいたくなかったッスね。せめて、逃げ道を用意(=頭を打つ・打たないの分岐)してくれていたなら救われたのですが。タイプライター演出は朋也と一緒にキーボードを打っているとか。

 そんな夢くらい、見させてくれよー(泣)。

 はあ、「It's a Wonderful Life!」という言葉は、諦めにも似た強がりなのかもしれませんね。少しばかりの哀しみを帯びながらの……。

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