ゲームレビュー(目次)>>は行(個別)
|
(↓↓↓ネタバレあれこれ↓↓↓)
ということで、「ひぐらしのなく頃に解」を一気に読み進めてしまいました。各編終了後に感想を書いております。長編だから出来る深みと言いますか、かなりのめり込まされましたね。これまで推理してきたことや、登場人物の隠されていた過去や設定が霧が晴れていくように明かされていくのは、実に気持ちのよいものでした。それと共に、展開には怒りやら悔しさやらが湧き上がってきて、これまたかなり感情を揺さぶられましたよ(笑)。
みっともなくデカ文字多用はご勘弁を。
<目明し編>
おおよそ予想通りの展開でした……が、切ねぇ〜(泣)。最後の詩音を交えた部活メンバーとやりとりはきっと、詩音が地面に叩きつけられてから意識を失うまでに夢想した場面だと思うんですが、そんな世界にたどり着くことがありますよう……。
大石が詩音のノートのことを「しあわせノート」と呼んだことに、大石のおっさんを見直すと同時にじんわりと胸が熱くなりました。
<シナリオ評価…S->
<罪滅し編>
感情の展開としては、「感動→爆笑→ひやひや→カラッと爽やか→納得」という感じでした。「目明し編」でも(本来は詩音であったはずの)魅音の言うことを詩音が信じれなかった結果、最悪の結果に陥ってしまいましたが、どうにも「ひぐらしのなく頃に」というのは「信じることの難しさと大切さ」を説いているように思えます。鉈と金属バットで戦い合ったのも、疑心暗鬼を払拭するため。でも、次の日には災害が起こるわけですが(笑)。
自分(たち)でどうにか出来ることと、どうにも出来ないことがある、それらを思い知らされるエピソードでした。
梨花が「次の死因は黒こげだ」みたいなことを言っていたので、本当は教室ごと爆発する運命だったのでしょう。それが、圭一が「鬼隠し編」の自分を思い出した(or見通した)ことによって、運命を乗り越えられる力を発揮した模様。個人的には運命は変えられないと思っている派(というか、運命の定義が矛盾するから)なのですが、ループであったり別次元の同時間軸を俯瞰できるのなら、想像ではない経験という爆発力をもって、運命もまた変えられるものかもしれませんね。
ただ、圭一が「鬼隠し編」の自分の行いを閃いた根拠が全く示されず(ニュー○イプか?)に強引に謎解きしたことと、屋根上での格闘がやや引っ張りすぎで興ざめさせられたのが残念でした(苦笑)。前半は話としてはベタながら、よくまとまっていたと思います。
<シナリオ評価…前半S-、後半A+>
<皆殺し編>
魅音に人形を渡すように助言するかしないかの選択肢。こんな幸せを感じる選択肢があることがすごいッスね。また、詩音と沙都子が一緒にお弁当を食べる場面もあって感動。あとは、感情の上げ下げ上げ下げの繰り返しで、もはや最期は涙でモニターがまともに見れない状態に……(汗)。
マジ泣き。
考えていた推理展開とは違う部分もあったのですが、鷹野が鍵を握っているという点では正解でしたね。もう、色んなことが凝縮されていて、言葉が出ません。
「鷹野よ、あんたこそが神に祟られろ」と思いましたが、きっと次で鷹野が神になろうとした理由が語られるんだと思います。そして、圭一たちが本当の勝利に至るには、全員が生き残ることは勿論のこと、人の命を奪って歴史を作り上げようとする鷹野の野望を打ち砕き、鷹野にそのバカバカしさを悟らせることだと思います。どのようにまとめてくれるか楽しみですね。
<シナリオ評価…S>
<祭囃し編>
全員無事で良かった。鷹野の動機もよく分かりました。仲間を信じることが、強い意志をもつことが、運命を変えること、奇跡を起こすことに繋がるということ。そのことを感じさせてくれたことは、極上のエンターテインメントというに相応しい。
途中のかけら集めはセーブが出来たので良かったですね。もし、自分が作り手側ならひび割れた時点で、全部を選択してもアウト、もう一度始めからやり直し、もちろんセーブ・ロードはなしっていう意地悪設定にしたでしょう(笑)。ゲームバランスは悪いけど、ね。(追記:カケラを一度も壊さなければ、裏ENDがあるとのこと)
これで「ひぐらしのなく頃に解」が終わったわけですが、自分的には若干印象が薄くなりましたね。鷹野の過去に多くのテキストを費やすことで感上移入させられ、入江診療所突入くらいまでは楽しく読ませていただいてた(デカ文字の多用やら、「これは現実でもありうるのだが」とかいう言い回しなど、気になる点もあった)のですが、「部活メンバーだけで山狗ほぼ殲滅」くらいになると醒めてしまったというか……。最後は「よかったね、ふ〜ん」みたいな感じで、「感動した〜!!」っていう感情で満たされなかったのが残念です。
で、どうして感動しなかったかと自問すると、シリアスな場面であるはずなのになぜかギャグ要素が中途半端に散見されたのと、結局は「鷹野に人の命を奪って歴史を作り上げようとするバカバカしさを悟らせること」が出来なかったからなのではないかと。圭一の口先の魔術師ぶりが展開しなかったことにもガックリしたのかもしれません。
もちろん、鷹野の積年の意志を圭一は知らないので、仕方ないのは承知です。そういう意味では、圭一が鷹野に手を差し伸べる言われはないし、鷹野も圭一に手を差し伸べる言われもありません。また、口先だけでどうこうできる問題でもありません。加えて、圭一の役割は雛見沢の封建的な考えを打ち破る鍵に過ぎず、そもそも鷹野は仲間ですらなかったわけですから。
それでも、部活メンバーが連帯して非暴力主義で鷹野をも巻き込むことをどこかで期待していたのでした。なのに、鷹野は明らかな殺意をもって引鉄を引いた。その事実が、全員無事の大団円で終わってもどこか釈然としない理由である気がします。富竹と鷹野がお互いに手を伸ばし合う未来を示唆してはいるものの、結局は鷹野を「生贄の羊」にしたまま終わったことがどこか後味の悪さを残しているのでしょう。簡単に言えば、自分が望んでいた「解」とは違ったことが不満なんだと思います。
とはいえ、素手で銃弾を掴む「本当の」奇跡をもって、仲間でなく敵である鷹野に罪を犯させなかったのは素晴らしいです。ひぐらしは「仲間を信じればどんな奇跡も起こせる」という点が唯一のファンタジー(スタッフルームより)らしいので、その法則からすれば仲間でない鷹野を殺人者となる罪から救うことは絶対に出来なかった。なのに救えたのはシナリオ選択で、「祭囃し編」のサブタイトルが「最後くらい幸せな夢を」とある通り、「祭囃し編」はあくまで夢だったゆえにかもしれません。
詩音と葛西が暗視スコープ着用の山狗に攻められて生きていること自体、出来すぎでしたし……。そもそも、羽入が転校してきている時点で……(笑)。赤坂があそこまで強いのも、梨花ちゃま補正。片思いパワーの賜物なのですよ。にぱ〜☆ ズバリ言うと、弾を止める奇跡を起こせるなら「皆殺し編」で起こしやがれ、ってことで。
結局、個人的にはカケラ紡ぎ以降は、作者さんはあえて最高でない「解」を提示したのではないかと思われます。あえて読み手が最高の「解」を紡ぐことが出来る余地を残したのではないかと。
まあ、ゴチャゴチャいろいろ言ってるんですが、一言で言い表すと読み終わったあとに「カタルシスに至れなかった」ということです。精神的にイケなかったってことなんですよ〜(血の涙)。もはや「自慰(=自分なりのカケラ紡ぎ)」でしか満たされないのね、はふん。さしずめ、「ひぐらしのなく頃に解」は個室(=脳の中)に放置された大人の玩具というところか……。
「竜騎士07……
なんていやらしい怖ろしい子」
<シナリオ評価…A+>
<キャラ好感度>
というわけで、「ひぐらしのなく頃に解」にて、前回とキャラ好感度はどのように変わったかというと……う〜ん、誰が一位とか、もはやどうでも良いというか……つまりは、
みんな、好きだ!!
としか言えませんね。苦手だった梨花ちゃまも、羽入も、沙都子も、圭一もレナも魅音も詩音も、悟史も葛西もお輌も茜も、富竹も鷹野も小此木も入江も、
好きDADADADADA!!
としか(笑)。鉄平もリサも、美人局や恐喝はしているけれど、そこに至る事情があることは想像できますし。生き残るためにはどんな手段も使う部活動の拡大版と思えば、人生とはこれ戦い、納得は出来ないけど理解は出来るわけで。
「ひぐらしデイブレイク」が配送されてきたら魅音&詩音を使うつもり満々なんですけどね(笑)。空気読めない圭一キュンキュン&猪突猛進悟史キュンキュンがやっぱり自分的には一番キュンキュンなのでした☆
|
通販サイト |Yahoo!ショッピング | Amazon | 楽天市場 | クレセント |