「リストラさんも、そろそろ幸せにならなくちゃ。ね?」
愛を失い、職を失い、希望を失い、ついでに若さも失いかけてる主人公・芳村理(28)は、やけ酒とばかりにスナックでなけなしの金を使い果たし、路上をさまよっていた。そんな時、一人の女性に声をかけられ、優しく励まされる。運命を感じた彼。決死の覚悟で年上のひと、穂香に告白することを決意するのだが……。
システム・音楽・絵・演出など、至って普通。ストーリーは各話仕立てで進んでいきます。
シナリオはさすが丸戸さん、緩急のつけ具合が絶妙ですね。山場の見せ方をしっかりと押さえてらっしゃいます。ただ、先生と美都子のルートがかなり被っているのが、残念。むしろ、一つのルートとして捉えた方が良いかも。
どのキャラも、NG(だめ)人間という設定がすでに笑えます。先生とか一見、しっかりしているように見えるんですが、かなりダメダメです(笑)。男陣のダメ人間'sぶりも、呆れるくらいで。でも、みんなやる時はやる。誰かが挫けそうでも、誰かが励ます。だから、頑張れる。そして声優陣がハマッている分、これまた愛着が湧くのが良いですね。
そして残念なのが演出。戯画作品くらい力が入っていれば、「パルフェ」「この青空に約束を―」に並んだだろうと思われます。この点、総合評価が落ちてしまった一番の理由ですね。開発費や期限なんかの大人の事情があるのは承知してますが、テキストやシナリオだけで惹きつけるのには、やはり限界があるわけで。
最大瞬間風速は結構あるのですが、如何せん、持続力がなかったですね。ぶつ切りの終わり方は潔しと捉えるとしても、やはり演出の弱さが余韻を断ち切る原因か。ストーリー自体は安心して楽しめます。個人的に、1クールドラマとして観てみたい作品です。
[萌えキャラ]
・美都子(一途でしっかり者の君が好き) |